浅井健一がバイクで突っ走るロードムービー“ARIZONA DREAD”

浅井健一の『JOHNNY HELL』というアルバムがある。
初回限定盤には、ショートムービー“ARIZONA DREAD”が収録されている。
浅井健一がバイクでひたすら走っている映像がメインのロードムービー。

俺はロードムービーがすごく好きで、『パーマネントバケーション』『イージーライダー』、『バニシングポイント』など好きなロードムービーはたくさんある。
それらには、もう単純にカッコイイよく、すごく自分の体内に染みるものがある。
そんなものに憧れて、バイクを乗り出し、ふらふらと自分が知らない道を走ることに目覚めた。

『ロードムービー』は、自分にとっては大事で、どんなジャンルの人間でも、
そのような常に旅してる感があるものに惹かれる。

この浅井健一の“ARIZONA DREAD”は、まさに自由を求めて旅をしている様子が現れている。
こんなに惹かれる日本人は他にはいない。
語りなんかも入っててそれがすごくいい。
廃れたところに腰を下ろし、弾き語りをする。
そこには飾りはないのに、とても味がある。

デビュー時、ブランキージェットシティから、
個人の快楽、趣味、旅、自由を追い求めると同時に、楽観的ではあるが平和や反戦、権力、そういった事柄を独特の言葉の羅列で歌うのが浅井健一だ。

売れているわけではないし、知っているのは多少なりとも自由や自我というものに憧れを持つ人間が多いだろうか。
そこにわかりやすさなんてないし、難解なものもある。

でも、ここまで自分に忠実に純粋な生き方をしている浅井健一。
もうこの人は単純に『格好いい』としかいいようがないんじゃないか?

そしてこのアルバムに収録されている、“ARIZONA DREAD”はバイクで希望とも絶望ともつかない『世界』をただただ突っ走る。それだけ。
バイクはカスタムしたマチレス。
バイクや安モーテル、寂れたガソリンスタンドがこんなに似合う男は他にいない。

単純に格好いい。それだけしかない。

ちなみに、ムービー中に、アルバム収録曲『JOHNNY HELL』を歌っているところがあって、
そのときにJOHNNYから始める名前の人が画面にずらっと出てくるんだが、
一番上のタイトルのJohnny Hellの次が、ジョニーサンダース。
ほかにもジョニーキャッシュ、ジョニーラモーン、ジョニーマーなんかも登場する。

浅井健一を知らない人でも、このムービーを見て感じるものがあるのなら、
ぜひ手にとって感じてほしいアーティストだ。

このアルバムに収録されている『WAY』
俺の好きなフレーズがある。
『歪んだ世界で純粋に生きる。それってすこぶるだめってことじゃん』

命は投げ捨てるもの。 馴れ合いは好きじゃないから誤解されてもしょうがない。

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