世の中にはダメ男にハマる女性がいる。
ろくに働かずヒモのような生活に成り下がり女性に養ってもらう。
実に羨ましい限りだ。
ダメ男にはなりたくはないが、ワタシもできるのであればそんな生活してえよ!!
どうしてもダメ男にハマるという知人の女性がいるのだが、その女性が言うには、
甘やかしているという状況が男をダメにしてしまう原因だとはわかっているのに、
どうしても母性本能をくすぐられるという。
『ワタシがいないとこの人はダメになってしまう。』とのことだ。
ちくしょうワタシも母性本能くすぐりてえよ!
甘やかされて生きてえよ!
働きたくないよ!!
なんてことは常日頃思っているのだが、
そんな母性本能をくすぐられる感覚がなんとなくわかってしまうような映画を紹介したい。
言っておくがワタシは男は好きではない。
だが、コイツダメだ…となりすぎるともはや可愛くなってしまうんだろうか。
映画/バッファロー’66
出演: ヴィンセント・ギャロ, クリスティナ・リッチ, アンジェリカ・ヒューストン, ベン・ギャザラ, ケヴィン・コリガン
監督: ヴィンセント・ギャロ
あらすじ
5年の刑期を終え、釈放されたビリー(ヴィンセント・ギャロ)は、
母親との電話でいくつもの嘘をついてしまう。
いもしない妻を連れて帰らなくてはならなくなったビリーは、
通りがかりのレイラ(クリスティナ・リッチ)を拉致し、
妻のふりをするようにを強要する。
初めは渋々従っていたレイラであったが、
ビリーの孤独な心、純粋さ、優しさを理解し、次第に好意を持つようになる。
一方、ビリーは5年前に彼を陥れたスコットに復讐するために・・・。
蓋を開けたらピュアな恋愛映画だった。
最初に言っておくけど、
ワタシは普段映画を見るときは、ピュアな恋愛映画は見ないようにしている。
なぜならおもしろいと思わないからだ。
でもこの『バッファロー66』は見てしまった。
というのも、この映画は主人公ビリーが復讐をするシーンが多くピックアップされている。
見て貰えばわかるが、
裸のネーちゃんが踊る中、ビリーの復讐が完了し、そしてビリーも自殺する。
このシーンの描写と音楽がとてもクールだ。
これだけを見てみるとハードボイルド系の映画だろう。
でも、蓋を開けたらピュアな恋愛映画だった。
今では、人にもオススメしたい唯一の恋愛映画になっている。
オープニングからダメ男に惹かれてしまう。
オープニングシーンは、刑期を終えシャバに出てきたところから始まるんだが。
いきなりおしっこを我慢してる所から始まる。
なかなかおしっこできずイライラ。
お店に入っても貸してくれない。
それでイライラしまくる。
暴言を吐きまくる。
これだけのシーンで数分が過ぎていくのだが、そこに至るまでの緊迫感、恥じらい、それが言ってみればこの映画のすべてを表している。
イケメンなんだが、そのおしっこ我慢しまくる描写でもう既に『コイツは本当にダメな種類の人間だな笑』とさせてくる。
この主人公のビリーは、とにかく感情の起伏が激しい。
干渉されることを極端に嫌うくせに、なぜか両親にはいい息子であることを見せようとする、かなり特異なキャラの持ち主。
自分の中ではこうしたい、ああしたいってのがあるんだけど、結局周りのことも気にしてしまうような。
そんな自分をあまり好きになれないし、そんな風に思ってしまうもんだから、異性に対してもうまく自分を表現できない。
そしてまたそんな自分にイライラしてくる。
でもそういう奴ってなんだか可愛いんだよな。
本当の自分になろうとして頑張ってるところがさ。
主人公のビリーはそんなピュアな部分を沢山持っている人。
そういう奴ってなんだか妙に人間臭くて親近感が沸くよな。
ダメ男ビリーと母性本能の塊レイラ
言動がとにかく乱暴で、見た目もヒゲ面に長髪なワイルドでクールなルックスなんだが、生き方が不器用すぎる。
生きることにも愛することにも不器用で情けない男がビリーだ。
そしてこの映画には、レイラという女性が出てくる。
ビリーが親に結婚したと嘘をついたがために、誘拐した女だ。
なんでそんな嘘をつくんだよ。
そして誘拐するんだよ。という感じだが、このビリーはバカで強がりで純粋なんだよ許してやってくれ。
いきなり誘拐されて、最初は抵抗していたんだけど、次第に主人公のビリーのダメっぷりに惹かれていくレイラ。
男が女に対して強い部分ばかり見せようと思っても、女の方が実は気付いてるんだよな。多分。
それが可愛く思えてきちゃって、『もうこの人は私がいないとダメね』的な。
そんな女性を演じる、クリスティーナ・リッチの演技も素晴らしかった。
なんだか何をしても、この彼女は許してくれそうな気がするもん。
ああ、、母性最高。
マジで男にはこういう人が必要!笑
だけど、ビリーはビリーで、せっかくレイラが優しくしてくれるのに、
不器用すぎて、素直にそれを受け入れられない。
その二人の心の交わり方が物語が進むにつれて変化していくのだが、その描写がキュンキュンくるんだよ。マジで。
映画見て、恋愛描写にキュンキュンしたのなんてこの映画が初めてかもしれない。
男なんてほぼダメな奴ばっかだよ。
この映画は、主演のビンセント・ギャロが、監督・脚本以外に、歌も作って自分で歌ってるし、ほとんど自分一人で作ったような作品だ。
主人公は全て中途半端で、悪にもなりきれず、家族にも思い切った反抗も出来ないダメ男。
キャッチコピーは『最悪の俺に、とびっきりの天使がやってきた。』だ。
このコピーが見終わった後にジワジワ効いてきて心が温かくなる。
強がっているようなんだけど、ほんとは弱くて寂しがり屋なんだ。
男ってみんなそんな部分をどこかしら持っていると思うわないか?
最初に、世の中にはダメ男というものがいると書いたが男なんて全員ダメな生き物だし。
女がそういう男にハマってしまうのは母性の生き物だからなんじゃないかな。
世の中の男達には、この映画のヒロイン・レイラのように全てを優しく包み込んでくれる天使みたいな女性が必要なんだよ。
1番うまくいくのってそんな二人だったりしてな。
結局、男と女ってそうなっているんじゃないのかな。