夏の終わりである。
みなさまいかがお過ごしだろうか。
学生の皆さまは課題に追われている頃だろうか。
ざまあみやがれ。
そんな中でも夏休みが終わり久しぶりに学校や職場に行ってみるとダルさとともに、やる気もみち溢れてるのではなかろうか。
ワタシに夏休みなんてない。
そうだ社畜だ。
夏は終わるけど、ワタシ達は終わらない夏というものに憧れる瞬間もあるもんだ。
クソ暑いからと早く夏よ終われとか思いながらも、ひとつの季節が過ぎ去っていくのはエモい気持ちになる。
あの子といった花火大会、人ごみの中でとっさに手を取り、肌に触れた感覚と微妙に汗ばんでいるその手の温もり。
花火なんてもうどうでもいいから一刻も早くセックスしたい衝動と戦っていたあの瞬間。
俺の打ち上げ花火の導火線に火がついたぜ。
うるせえな。
楽しいよな。
花火なんてマジでどうでもいいんだよ。
夏はセックスだ。
終わらない夏といえば『Endless Summer』
そして『Endless Summer』といえば『Fennesz(フェネス)』だ。
フェネスというのはアーティスト名だ。
そのフェネスがリリースしたアルバムに、『エンドレスサマー』というアルバムがある。
電子音楽の大傑作と言われ語り継がれているアルバムだ。
フェネスの評価を決定づけた名作サードで、センチメンタルなアコースティック・ギターのフレーズとエモーショナルなノイズが奇跡的なバランスが本当に秀逸だ。
夏の終わり。
過ぎゆく季節、海辺の夕暮れの景色を見事に脳裏の映し出してくれる。
揺らぎのセンチメンタルなサウンドは、これまで無機質だと思われていた実験電子音響に “エモーション” を持ち込んだ。
しっかり堪能してほしい。
感情を持った電子音楽
この『エンドレスサマー』のまじですごいところは。
この手の電子音やノイズ音楽から、ある風景やストーリーを見い出せることだ。
無機質で人工的な音から、いかに人間的なものを作り出せるか、それがこの『エンドレスサマー』が傑作と言われる所以だ。
夏の終わりに思い出すのが毎年毎年これだぜ。
自分で思うけど何で思い出すのが電子音楽なわけ?おい。
ワタシだってそれなりに夏を楽しんだはずなのに、今思い出すのはコレ。
聴いて貰えば分かるけど、普通の人間はこんな音楽にまず出会わねえよな。
何で電子音楽で夏の終わりを感じなければいけないの。
何が『エンドレス・サマー』だよって。
そんな声が聞こえてくるようだ。
わかってるから言うな。
百も承知だ。許してほしい。
ちくしょうワタシも普通にサザンとか聴いて夏を過ごせる人格に生まれたかったよ!
今年最後の花火でも見て帰りにホテル寄ってセックスするのが普通だよ。
お前らの勝ちだよ。クソが。
それでも普通に生きていたら、このエモーショナルな電子音楽に出会うこともなかったのかと思うと、それでも良かった気がする。
この心に染み入る電子音とアコースティクギターの音色。
フェネスのエンドレスサマーは、その音楽性も含め、限られた者しか堪能できないのではなかろうか。
そんなまとめで終了しよう。