【スカーフェイス/映画】欲望と現実の理性が吹っ飛んで破滅したマフィアのストーリー。

マフィア映画はやはり男の心を揺さぶる。

うん。だって男の子だもん。
強い男に憧れるじゃん。

そんなマフィア映画といえばアルパチーノだ。
マフィアなアルパチーノといえば、ゴッドファーザーのマイケルコルレオーネだが、あのアルパチーノはダメだ。
なぜなら若いしイケメンすぎる。
今ではおじいちゃんだけど、若い時のアルパチーノはマジで顔面偏差値高すぎる。
ゴッドファーザーのシナリオは大傑作なんだけどね。

アルパチーノはもっとチンピラ風情の方が輝いているような気がする。
今回紹介する『スカーフェイス』で、個人的にチンピラ風情の印象がついてしまったのかもしれない。

この『スカーフェイス』は3時間近くあるのに全編に緊張感があるチンピラ成り上り野郎の話だ。
常に何かが起きそうな緊迫感に包まれ、唐突のバイオレンス描写がホラー映画を見ているようなカンジもある。

映画/スカーフェイス

あらすじ
1983年のアメリカ映画。監督はブライアン・デ・パルマ。
1932年のギャング映画『暗黒街の顔役』(こちらも原題は Scarface)をオリバー・ストーンが脚色した。主演はアル・パチーノ。キューバからアメリカにやってきたボートピープルの青年トニー・モンタナが、コカインの密売でのし上がり、自滅していく様子を描いたピカレスクロマン。トニー・モンタナ役は、当初はジェフ・ブリッジスがやることになっていた。

【キャスト】
アル・パチーノ/スティーブン・バウアー/ミシェル・ファイファー
【スタッフ】
監督:ブライアン・デ・パルマ
制作年:1983年

マフィア映画の金字塔

このアルパチーノ演じるチンピラ、トニーモンタナのキャラがいい。
マジでチンピラだ。
すぐキレるし、言葉使いが汚すぎる
ゴッドファーザーの冷静寡黙なマイケルとは真反対だ。
なんだかアルパチーノが生き生きしてる。

バイオレンスだけど純粋でまっすぐな人間なんだと思った。

パチーノ扮するこのトニーはとにかく我が強い。
成り上がりたい欲が誰よりも強く、そして成り上がった自分をいつもイメージしているように思えるし、
そのための先行投資は惜しまないし、成り上がる最短の道を突っ走っていった感じだ。

人間誰もが欲にまみれている。
出世したい、金が欲しい、気に入った女とヤりたい、嫌いな奴は殺したい、底辺の生活には戻りたくない。

ストレートな言い方をしたけど、人間誰しもこんな感情はある。
でも、それに対して実行できるものは少ないし、あくまで法律内で行うのがリアルな世界だ。
それに、自分の欲に対して全てを叶えようとすれば、トレードオフで何かを失うことになる。
常に色々な物事と折り合いをつけ、選択肢を選んでいるのだ。
そのバランスで人間はある程度の生活ができているんだ。

しかし、トニーは違ったという話。
願望全てに忠実に行動に移し、一旦は頂点に達するも、そのトレードオフの代償は大きかった。
クライマックスは花が散るように死んでゆく。

この主人公のトニーってものすごく純粋だと思うんだよ。
全ての欲望に対して忠実に行動してる人間は純粋だ。
やり方が常軌を逸しているだけでさ。

少し考えればわかることなのに、全てを追い求めることで、矛盾や混乱を招いてしまって人生変わった友人だっているよ。
スケールは小さいけど、何人もの女を作ってなおかつ、幸せな家庭も欲しい。とかもそうじゃん?

そいつらは純粋なんだよ。

でも、純粋な心だけでは生きていけないってことだ。
でも、なんだかそういう奴らって愛せるよな。なんでだろう。

映画の話に戻ると、
暴力的なマフィア映画の主人公でありながらも、
このトニーにも、その純粋な一面、もしくは硬派で仁義を通すという性格も描写されているのがとてもよい。
女子供には絶対に手を出さない、仲間を裏切らない、決定的な証拠が出る瞬間まで自分のボスを信じようとするとか。

これも最後には理性がぶっ飛んで、破滅に向かうのだけども…

人生とは欲望と現実のバランス感覚なのか。

チンピラ時代に仕事をくれた、最初のボスがいるんだけど、(コイツは結果的にトニーに殺される。)
このトニーに、「貪欲になるすぎると自滅するぞ」と実は物語の序盤に警告している。

人間はそりゃ上を目指すことをやめてはいけないけど、それと同時に現状にも満足して幸せだと感じ心を持ち続けることが大切であろう。
矛盾しているように思えるが、このバランス感覚は人生においてとても重要なことなんだろう。

3時間近くある大作だが、退屈せずに楽しめた。 
アルパチーノはこの手のチンピラから成り上り野郎を演じさせたら右に出るものはいない。

ちなみにこの『スカーフェイスは』はハワード・ホークス監督の「暗黒街の顔役」(1932)のリメイクとなっている。

マフィア映画を語る上で欠かせない『スカーフェイス』
マジでおすすめだ。

劇場予告

命は投げ捨てるもの。 馴れ合いは好きじゃないから誤解されてもしょうがない。

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